日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 アラビアゴム
英文名 
Acacia

CAS 9000-01-5  (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 
収載公定書 
局方(JP17), 食添(JSFA-IX
USP/NF(28/23)  EP(5)
用途 結合剤,懸濁(化)剤,コーティング剤,粘着剤,賦形剤,分散剤


GRAS (link to GRAS/SCOGS)


JECFAの評価 (link to JECFA)
   ADI: 制限しない


単回投与毒性  (link to ChemIDplus)

動物種

投与経路

LD50(mg/kg体重)

文献

マウス

経口

16g/kg,bw

Margareide,19722)

ラット

経口

18g/kg,bw

Margareide,19722)

ハムスター

経口

16g/kg,bw

Margareide,19722)

ウサギ

経口

8g/kg,bw

Margareide,19722)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
B6C3F1マウス1群雌雄10匹にアラビアゴム0,6300,12500,25000,50000,100000 ppm(0,0.63,1.25,2.5,5.0,10%)濃度で飼料に混入して13週間与えた。その結果,生存率,剖検,顕微鏡所見に被験物質に起因した変化は認められなかった。投与群の屠殺時体重,摂餌量は軽度に減少する傾向がみられた。(National Toxicology Program,1980)2)

ラットにアラビアゴム0%および15%混入食を62日間与えたが,下痢が認められた以外は,体重増加,食餌効率,血液学的所見および臓器重量は正常であった(Booth et al., 1963)21)

F344ラット1群雌雄各10匹にアラビアゴム0,6300,12500,25000,50000,100000 ppm(0,0.63,1.25,2.5,5.0,10%)濃度で飼料に混入して13週間与えた。その結果,生存率,剖検,顕微鏡所見に被験物質に起因した変化は認められなかった。摂餌量は雄では高用量群2群,雌では全群で減少がみられた。投与群の屠殺時体重,摂餌量は軽度に減少する傾向がみられた。(National Toxicology Program,1980)2)

ウサギ1群4匹にアラビアゴムを20%濃度でカゼイン飼料に4週間摂取させたところ体重増加を促進させた(Hove and Herndon、1957)31)

イヌ3匹にアラビアゴムを投与期間76日間に32-35回静脈内投与した結果,その累積投与量は15.7-47.7 g/kgであった。最高用量では肝臓肥大を惹起し死亡したが、4ヵ月間投与の最終投与後に死亡したものの死因は不明であった。残り2匹の一般状態は良好で,26ヵ月目の最終投与後の肝臓のバイオプシーではアラビアゴムが認められた。(Smalley et al., 1945)1)


遺伝毒性 (link to CCRIS),GENE-TOX
変異原性
 
Saccharomyces CereviseaeD4株,Salmonella typhimuriumTA1535、TA1537およびTA1538株を用いたinvitro 試験で直接法,代謝活性化法ともに遺伝毒性は認められなかった。(Brusick, 1975)2)

ショウジョウバエ
を用いる伴性雄性致死試験において突然変異原性はないと結論された(Valencia&Abrahamson)2)


がん原性  (link to CCRIS)
マウス
B6C3F1マウス1群雌雄50匹ずつアラビアゴム0、2500ppm, 5000ppm(0,2.5,または5%)を 飼料に混ぜ103週間摂取させた。その後、屠殺まで2週間は対照群の飼料を与えた。投与群の摂餌量は低下したが,体重増加,生存率,一般状態肉眼的・顕微鏡的非腫瘍性変化に被験化合物の影響は認められなかった。 肝細胞腺腫は対照群雌49例中2例、低用量群雌50例中0例、高用量群雌49例中6例で、肝細胞癌は対照群雌49例中1例、低用量群雌50例中2例、高用量群雌50例中6例であった。肝細胞腺腫、のカルシノーマやアデノマなど対照群や基礎データから見て、アラビアゴムと関連するがんの発生の増加は認められなかった。た。(National Toxicology Program,1980)2)

ラット
F344ラット1群雌雄50匹ずつにアラビアゴム0、25000,50000ppm(0,0,5,5%)を飼料に混ぜ103週間摂取させた。ラットは屠殺前2週間 は対照群の飼料を摂取させた。投与群雄では体重増加は対照群と差はなかったが、投与群雌の体重増加はやや減少した。その変化には用量相関性はなかった。摂餌量は対照群と比較して,投与群雌雄は減少した。被験化合物に起因する一般状態,生存率,剖検,顕微鏡学的所見障害は見られなかった。(National Toxicology Program,1980)2)


生殖発生毒性  (link to DART)
Wistar系由来ラット雌1群21-24匹にアラビアゴムをコーンオイルに懸濁して0,16,75,350,1600mg/kgを妊娠6-15日に強制経口投与した。母体生存率,着床数,胎児生存率,出生児の硬軟組織の奇形頻度に被験物質と関連した変化は認められなかった。出生時平均胎児体重は高用量群でやや減少した。(Margareidge,1972)2)

CD−1マウス1群雌19−21匹にアラビアゴムをコーンオイルに懸濁して0,16,75,350, 1600mg/kgを妊娠6-15日に強制経口投与した。母体生存率,着床数,胎児生存率,出生児の硬軟組織の奇形頻度に被験物質と関連した変化は認められなかった。(Margareidge,1972)2)

ゴールデンハムスター1群雌19-21匹にアラビアゴムをコーンオイルに懸濁して0,16,75,350,1600 mg/kgを妊娠6-10日に強制経口投与した。母体生存率,着床数,胎児生存率,出生児の硬軟組織の奇形頻度に被験物質と関連した変化は認められなかった。(Margareidge,1972)2)

Dutch-beltedウサギ1群雌14−21匹にアラビアゴムをコーンオイルに懸濁して0,8,37,173, 800mg/kgを妊娠6-18日に強制経口投与した。37mg/kg以下の用量群では母体生存率,着床数,胎児生存率,出生児に被験物質と関連した変化は明らかでなかった。この群でみられた胎児の軟組織,骨格の奇形の型,数は対照群にみられた自然発生の奇形と数的に差はなかったが,173,800 mg/kg群では母体毒性がみられ,800mg/kg群の多くは死亡した。重篤な血便の下痢,尿失禁,食欲不振が死亡前48-72時間観察された。剖検では小腸粘膜の出血以外,著変はなかった。高用量群雌の生存例では,外見上正常で,胎児も正常であった.これらのことから,この試験条件下では,ウサギに対する奇形性はないと結論付けられた。(Margareidge,1972)2)

4週齡のOsborne-Mendelラット1群雌雄にアラビアゴムを0,1,2,4,7.5,15%濃度で飼料に混入して交配前4週間与えた。交尾期間,妊娠期間も同様に混餌飼料を与えた。交尾の確認後,1群雌41-47匹とした。妊娠期間中,投与群雌では1%混餌飼料では683 g/kg/日,15%混餌飼料では10647 g/kg/日の摂取量となった。母体所見,胎児数,胎児生存数,胎児の外表・内臓・骨格観察に投与に起因した変化は認められなかった。(Collins et al., 1978)3)

局所刺激性
モルモットで感受性有りとされている。


その他の毒性
抗原性
モルモットを用いたアラビアゴムの抗原抗体反応で陽性を示した。(Rice, 1955; Silvette et al., 1955)2)


ヒトにおける知見 (link to HSDB)

腎性浮腫患者9名に投与期間8週間に1-6回の静脈内投与を行った結果,累積投与量は80-325 gであった。その結果,肝肥大の徴候はみられず,その他の合併症もなった。9名中5名の尿中には,投与10-30日間で投与量の5.5%〜38%が排泄された。(Johnson & Newman, 1945)1)


引用文献
1) Arabic gum (WHO Food Additives Series No. 5)  (link to WHO DB)
2) Arabic gum (WHO Food Additives Series 17)  (link to WHO DB)
3) Gum arabic (WHO Food Additives Series 26)  (link to WHO DB)
4) Arabic gum (FAO Nutrition Meetings Report Series 46a)  (link to WHO DB)

Abbreviation   
ChemIDplus; ChemIDplus DB in TOXNET, CCRIS;Chemical Carcinogenesis Research Information System , DART; Developmental Toxicology Literature
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