日本医薬品添加剤協会 |
和名 ヘスペリジン 英文名 Hesperidin CAS 520-26-3 (link to ChemIDplus) 別名 収載公定書 局外規(2002) 用途 着香剤・香料 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus) ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) マウス 1群雌雄10匹のB6C3F1マウスに、メチルヘスペリジンの0、0.3、0.6、1.25、2.5又は5.0%含有食を13週間与えた。体重、摂餌量、摂水量、血液学的及び臨床化学的検査、臓器重量等には投与に起因する有意な変化は見られなかった。主要臓器の肉眼的、顕微鏡的観察においても影響は見られなかった。以上の結果、メチルヘスペリジンは食餌に混入して5.0%の高濃度を投与しても明らかな毒性を示さなかった。1)(Kawabe et al., 1993) ラット 1群雌雄20匹のWistarラットに、ネオヘスペリジンジヒドロカルコンの0、0.2、1.0又は5.0%含有食を91日間与えた。投与に起因する肉眼的、血液学的及び病理組織学的な変化は見られなかった。 雌雄共に高用量の5.0%群では投与初期に軟便が見られ、剖検時に著しい盲腸の肥大が見られた。この群では軽度ながら血清中の尿素窒素の低下、ALP(アルカリホスファターゼ)の上昇、尿pHの低下が見られた。更に、雄では全期間を通じた体重の相対的低下傾向及び血清総蛋白量の低下が、雌ではビリルビンの上昇が見られた。高用量で認められたこれらの変化は、明瞭な毒性所見であるというよりは適応性の変化若しくは偶発的なものと思われる。以上の結果から、1.0%の混餌、即ち、約750mg/kg/dayが無影響量である。2)(Lina et al., 1990) ■遺伝毒性 (link to CCRIS) Toxinet 資料
■がん原性 (link to CCRIS) がん原性 B6C3F1マウスに、メチルヘスペリジン(ビタミンPグループの一つ)の0、1.25又は5%含有食を96週間投与し、その後、正常食に戻し8週間飼育した。5%群の雌雄及び1.25%群雌では成長遅延が見られ、それに伴った変化が臓器重量にも見られた。しかし、死亡率、一般症状には変化なかった。更に、血液学的、臨床化学的及び尿検査には異常は見られなかった。組織形態学的な検査では、悪性新生物、新生物発生頻度にも有意な変化は見られなかった。以上の結果は、メチルヘスペリジンにはB6C3F1マウスに対し発癌性がないことを示唆している。4)(Kurata et al., 1990) ■生殖発生毒性 (link to DART) 1群28匹のWistar Crl:(W1)WU BR妊娠ラットを用い、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン(NHDC)の0、1.25、2.5又は5%含有食を妊娠0-21日まで与えた。帝王切開時の動物数は夫々25、22、23、23匹であった。NHDCの摂取量は夫々0、0.8-0.9、1.6-1.7、3.1-3.4g/kg/dayであった。母獣の体重には影響は見られなかった。剖検時の観察では盲腸の肥大を除き、NHDCに起因する変化は見られなかった。繁殖率、妊娠率、黄体数、着床数、生仔数、死仔数、初期及び晩期吸収胚数、性比にも異常は認められなかった。妊娠子宮、胎仔摘出後の子宮、卵巣、胎盤等の平均重量にも変化なかった。胎仔の検査においても、外形、内臓及び骨格の異常は観察されなかった。以上、NHDCは5%混餌投与、即ち、約3.3g/kg/dayの投与で有害作用はない。盲腸の肥大は、低消化性物質の大量投与に伴う生理的な適応現象であり、毒性所見ではないことが一般的に知られている。5)(Waalkens-Berendsen et al., 2004) 以下については該当文献なし ■局所刺激性 ■その他の毒性 ■ヒトにおける知見 ■引用文献 1) Kawabe M, Tamano S, Shibata MA, Hirose M, Fukushima S, Ito N. Subchronic toxicity study of methyl hesperidin in mice. Toxicol. Lett. 1993; 69(1): 37-44 2) Lina BA, Dreef-van der Meulen HC, Leegwater DC. Subchronic(13-week) oral toxicity of neohesperidin dihydrochalcone in rats. Food Chem. Toxicol. 1990; 28(7): 507-13 3) Prival MJ, Simmon VF, Mortelmans KE. Bacterial mutagenicity testing of 49 food ingredients gives very few positive results. Mutat. Res. 1991; 260(4): 321-329 4) Kurata Y, Fukushima S, Hagiwara A, Ito H, Ogawa K, Ito N. Carcinogenicity study of methyl hesperidin in B6C3F1 mice. Food Chem. Toxicol. 1990; 28(9): 613-8 5) Waalkens-Berendsen DH, Kuilman-Wahls NE, Bar A. Embryotoxicity and teratogenecity study with neohesperidin dihydrochalcone in rats. Regul. Toxicol. Pharmacol. 2004; 40(1): 74-9 |メニューへ| |
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