日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 白色セラック
英文名 White Shellac

CAS  (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 セラック(106230)
収載公定書  局方(JP17) 
用途 結合剤,光沢化剤,コーティング剤,糖衣剤,賦形剤,防湿剤

JECFAの評価 (link to JECFA)
コート剤、艶出し剤、表面仕上げ剤として了するときのセラックは毒性がないものに分類される。セラックの使用に関して毒性はない。


単回投与毒性

被験物質

動物種

投与経路

LD50 (mg/kg体重)

文献

セラック(Regular Bleached Bone-Dry)

ラット

経口

>5 g/kg

Levenstein, 1980 1)

セラック(Refined Wax-Free Bone-Dry Bleached)

ラット

経口

>5 g/kg

Levenstein, 1980 1)

セラック(Orange with Wax)

ラット

経口

>5 g/kg

Levenstein, 1980 1)

セラック(Orange Wax Free)

ラット

経口

>5 g/kg

Levenstein, 1980 1)




反復投与毒性
ラット
SIV 50 ラット雌42匹を3群に分け、2群には食品グレードのブランドの異なる2種類のセラックを2%含む飼料を90日間与え、残り1群を対照とした。その結果、摂餌量及び体重増加には対照群と比較して有意な差は みられなかった。摂餌量にも変化なく、また排泄物にもセラックの残渣は認められなかった。試験終了後、各群4匹のラットについて諸臓器(肝臓、十二指腸、回腸、盲腸、結腸、腎臓)を組織学的に調べた。セラック投与群では盲腸の肥大 化及び結腸近位部の膨大化がみられたが、この剖検所見に相当する病理学的変化は小腸,肝臓,腎臓に認められなかった。対照群ラットの結腸 はセラックを投与したそれに比べて腸管の好酸性度が低下し,盲腸は固有層の浮腫の少なく,2種類のセラック間でも差がみられた。セラックと関連した病理学上の変化は 認められなかったが,投与群では対照群と比較して,投与後期に体重増加抑制がみられた。1) (Buchloch, 1979)


遺伝毒性

被験物質

試験

試験系

濃度

結果

文献

セラック(Food Grade,Regular bleached)

復帰突然変異

S. typhimurium TA1535, TA1537,TA1538, TA98,TA100

直接法・代謝活性化法:1-10000 μg/plate

陰性

Jagannath & Myln, 19811)

セラック(Wax)

復帰突然変異

S. typhimuriumTA1535, TA1537,TA1538

直接法・代謝活性化法:1-10000 μg/plate

陰性

Brusick, 19751)

セラック(Wax)

染色体内組み換え

S. cerevisiae D4

陰性

Brusick, 19751)




がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性
Sprague-Dawley系ラット1群雌雄各25匹を用い、一般の白色セラック(Regular bleached)を0, 1000, 3000及び10000 ppmの濃度で食餌に混入して28日間混餌投与した(F0;親世代)。その後、群内のラットを交配させ、雌は分娩させて同腹仔を飼育させた。授乳4日目に同腹仔の雌雄各5匹を可能な限り選別した。各群から雌雄各25匹の離乳ラット(F1;第一世代)をF0と同様の餌で90日間飼育した。実験食開始後F0の雄は 11週後に、F0の雌及びF1ラットは13週後に屠殺し、死亡率、外観、行動、発達の毒性徴候、体重、摂餌量、生殖・発生インデックス、血液学、臨床化学、尿検査、剖検、病理組織検査を 調べた。その結果、F0とF1動物にはセラック投与に関連した毒性は認められなかった。1) (EDRL, 1984)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見
セラックを長期にわたってヒトに曝露した場合の影響についてはほとんど知られていない。55歳の家具師を司法解剖した結果、胃の中にセラックの硬い塊(牛黄)が見つかったが、死因は落下による頭部外傷によるものと報告されており、摂取したセラックがいかにして残存していたかは不明である。1) (Janica, 1983)


引用文献
1) WHO Food Additives Series 30 Shellac (link to WHO DB)



   


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