日本医薬品添加剤協会 |
和名 パラオキシ安息香酸ブチル 英文名 Buthyl Parahydroxybenzoate CAS 94-26-8 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 Butylparaben 収載公定書 局方(JP17) ,食添(JSFA-IX), USP/NF(26/21)(Butylparaben) EP(4)(Butylparaben) 用途 安定(化)剤,防腐剤、保存剤 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
■反復投与毒性 (link to TOXLINE) マウス ICR/jclマウス1群雌雄各10匹にパラオキシ安息香酸ブチル 900,1900,3800,7500,15000 mg/kg相当を摂取するよう飼料に混入して6週間投与した。対照群には飼料のみを与えた。7500,1500 mg/kg群は投与2週間以内に全例が死亡した。1900,3800 mg/kg群では,対照群と比較して10 %の体重増加抑制がみられた が,低用量群における体重増加は対照群と差がなかった。。1900 mg/kg以外の投与群では,リンパ組織の萎縮,肝臓の変性・壊死が認められた。1) (Inai et al., 1985) ラット ラットにパラオキシ安息香酸ブチル 0,0.25,50 mg/kgをダイズ油に100 mg/0.5 mL濃度に溶解して,13-15週間連日強制経口投与した。 体重は週2回測定した結果,対照群と差はみられなかった。一部のラットは病理組織検査のため試験計画に従った屠殺した。散発的な死亡例はみられず, 対照群と比較して病理組織学的変化は認められなかった。無影響量(NOEL)は50 mg/kg/日とみなした。。1) (Ikeda & Yokoi, 1950) Wistarラットに1群雌雄各12匹のパラオキシ安息香酸ブチル 0,2000,8000 mg/kg相当を摂取するよう飼料に混入して12週間投与した。 体重,摂餌量は2週に1回測定した。剖検,病理組織学的検査は試験終了時に行った。試験終了時までに死亡した例では剖検後,適切な組織を病理組織学的検査のため固定した。低用量群では変化はみられなかったが,8000 mg/kg群雄全例及び雌多数例は投与数週間いないに死亡した。これらの死亡例では,体重及び自発運動の減少,軽度な体重増加抑制が認められた。無影響量(NOEL)は 2000 mg/kgとみなした。。1) (Matthews et al., 1956) ■遺伝毒性
■がん原性 (link to CCRIS) ICR/jclマウス1群雌雄各50匹にパラオキシ安息香酸ブチル 0,225,450,900 mg/kg相当を摂取するよう飼料に混入して102週間投与した。 試験開始30週間は摂餌量は週1回測定し,その後20週間は隔週1回測定し,終了時までは4週に1回測定した。体重は試験開始6週間は週1回測定し,その後24週間は隔週1回として,終了時まで4週に1回測定した。投与期間中に死亡した例はすべて剖検した。生存例は投与106週目に前例屠殺した。組織は死亡時期にかかわらず,病理組織学的検査に供した。腫瘍発生率 は投与群と対照群で差はみられなかった。無影響量(NOEL) は900 mg/kgをとみなした。1) (Inai et al., 1985) ■生殖発生毒性 該当文献なし ■局所刺激性 ウサギに0.1 %パラオキシ安息香酸ブチル及び0.2 %パラオキシ安息香酸プロピルを含有する製剤をDraize法に従い皮膚一次刺激性を調べた結果,刺激性は認められなかった。2) (CTFA, 1980) ■その他の毒性 依存性 該当文献なし。 抗原性 モルモットにパラオキシ安息香酸ブチル,パラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸メチルそれぞれ生理食塩液に0.1 %に溶解して,週3回,3週間(合計10回)皮内投与で感作した。初回投与24時間目に変化は認められなかった。最終感作投与後2週間目に,感作局所近くに惹起皮内投与を行い,48時間後に観察した。いずれのパラオキシ安息香酸塩もアレルギー反応を惹起しなかった。2) (Sokol, 1952) モルモット10匹にパラオキシ安息香酸ブチル,パラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸メチルをそれぞれ0.1 %に溶解して,Draize法に従って週3回,3週間(合計10回)皮内投与で感作した。初回投与24時間目に変化は認められなかった。最終感作投与後2週間目に,感作局所近くに惹起皮内投与を行い,24時間に観察した。これらパラオキシ安息香酸塩には感作性はないものとみなした。2) (Matthews et al., 1956) モルモット20匹にFreund完全アジュバントを0及び9日目に皮内投与した。5 %パラオキシ安息香酸ブチルを49時間閉塞パッチして,隔日3週間投与した。最終感作後12日目に,被験物質を今まで投与されていない部位に48時間惹起パッチした。パッチ除去後1,7,24,48時間目に刺激性の評点をつけ,顕微鏡的に感作状態を調べた。その結果,平均紅斑評点は1.7(最大4)であった。病理組織学的検査では,アレルギー性変化と判断された。2) (Brulos et al., 1977) ■ヒトにおける知見 (link to HSDB) ヒト50名の背部にパラオキシ安息香酸ブチル,パラオキシ安息香酸エチル,パラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸メチルを5,7,10,12,15 %濃度で連日5日間パッチを貼付した。パッチ交換時には投与局所の刺激性について評点をつけた。12 %パラオキシ安息香酸ブチル,7 %パラオキシ安息香酸エチル,12 %パラオキシ安息香酸プロピル,5 %パラオキシ安息香酸メチルでは刺激性は認められなかった。濃度が高くなると,ある程度刺激性が認められた。 男女各25名の損傷皮膚に上記の試験で刺激性がみられなかった用量を隔日3週間(合計10回)4-8時間パッチを貼付した。3週間の休薬後,24-48時間惹起貼付した。その結果,感作性は認められなかった。 2) (Sokol, 1952) ■参考文献 小児(link to STEP database 要Login) 1) WHO Food Additive Series No.48 Hydroxy- and alkoxy-substituted benzyl derivatives. (link to WHO DB) 2) Moore J. Final report on the safety assessment of methylpraraben, ethylparaben, propylparaben, and butylparaben. J. Am. Coll. Toxicol. 1984; 3: 147-209 |メニューへ| |
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