日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル
英文名 Hypromellose Acetate Succinate 

CAS 71138-97-1 (link to ChemIDplus),  (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート,Hydroxypropylmethylcellulose Acetate Succinate
収載公定書  局方(JP17) 
用途 結合剤,コーティング剤


単回投与毒性
ラット及びウサギを用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の急性毒性試験を行った。いずれの種においても2.5gの単回経口投与で死亡例はなく、行動異常も見られなかった。LD50は2.5g/kg以上である。1) (Hoshi et al., 1985)


反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
雌雄のラットにHPMCASの0、 0.63、1.25又は2.5g/kgを日曜日を除く毎日、2ヶ月間経口投与して一般行動に異常は見られなかった。体重増加の軽度の抑制がいくつかのラットで見られたが有意な変化ではなかった。1.25又は2.5g/kgを更に6ヶ月間経口投与した試験においても一般行動に異常は見られず、雄ラットで体重増加の抑制の見られる例が散見されたが有意な変化ではなかった。生化学的、生理学的検査では種々の変化が対照群を含めて観察されたが、検体投与に起因する有意な用量反応性は見出せなかった。1) (Hoshi et al., 1985)


遺伝毒性
該当文献なし


がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
ラット
Slc:SD系ラットを用いてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)の催奇形性を検討した。妊娠7-17日の11日間に亘り1日625、1250又は2500mg/kgを経口投与した。各群から妊娠ラットの2/3を妊娠21日目に屠殺し、胎仔を調べた。残りの妊娠ラットは自然分娩させ生仔の生後発育を観察した。外形、内形及び骨格異常の発生頻度に有意な変化はなかった。HPMCASは母獣の分娩、授乳及び生仔の生後発育、繁殖能に有害な作用を与えなかった。2) (Hoshi et al., 1985)

Slc:SD系ラットを用いてHPMCASの繁殖能を検討した。用量は1日625、1250又は2500mg/kgで、雄には交配前60日から交配終了まで、雌には交配前14日から妊娠7日目までの22日間投与した。雌ラットは妊娠21日目に屠殺し、胎仔の異常有無を調べた。HPMCASを投与したラットの交配能力、繁殖能に異常は見られなかった。胎仔にもHPMCAS投与に起因する外表、内形及び骨格異常は見られなかった。HPMCASはラットの交配能力、繁殖能、着床及び胎仔の生育に有害な作用を及ぼさなかった。3) (Hoshi et al., 1985)

Slc:SD系ラットを用いてHPMCASの周産期及び出産後に及ぼす影響を検討した。用量は1日625、1250又は2500mg/kgで、妊娠17日から出産後21日目まで経口投与した。妊娠ラットは自然分娩させ、生仔の成育を観察した。最高用量の2500mg/kg群では雄の肝重量が有意に増加し、雌でもその傾向が認められた。出産後の生仔の発育、文化行動及び繁殖能には異常は見られなかった。4) (Hoshi et al., 1985)

ウサギ
ニュージーランド白色ウサギを用いてHPMCASの催奇形性を検討した。用量は1日625、1250及び2500mg・kgで、妊娠6-18の13日間経口投与した。妊娠29日目に母獣を屠殺し胎仔を調べた。器官発生期にHPMCASは胎仔毒性及び催奇形性を示さなかった。また、動物の一般行動、状態、成長にも影響はなかった。5) (Hoshi et al., 1985)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
依存性
抗原性
一般薬理
マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ及びカエルを用いてHPMCASの一般薬理作用を検討した。中枢神経系、自律神経系及び心脈管系に対し有意な作用はなかった。溶・凝血を含めた血液及び尿の検査においても影響は認められなかった。HPMCASには局所麻酔作用もなく、血管透過性亢進作用もなかった。高用量域ではモルモットで唾液分泌の亢進、ラットで胃液分泌の抑制及び直腸温上昇が見られたが、いずれも明白な用量反応性はなかった。6) (Hoshi et al.,1985)


ヒトにおける知見
誤用
その他


参考文献

小児 (link to STEP database;要Login)

1) Hoshi N, Yano H, Hirashima K, Kitagawa H, Fukuda Y. Toxicological studies of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate- acute toxicity in rats and rabbits, and subchronic and chronic toxicities in rats. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2): 147-85

2) Hoshi N, Ueno K, Igarashi T, Kitagawa H, Fujita T, Ichikawa N, Kondo Y, Isoda M. Teratological studies of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate in rats. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2): 203-26

3) Hoshi N, Ueno K, Igarashi T, Kitagawa H, Fujita T, Ichikawa N, Kondo Y, Isoda M. Studies of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate on fertility in rats. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2): 187-201

4) Hoshi N, Ueno K, Igarashi T, Kitagawa H, Fujita T, Ichikawa N, Kondo Y, Isoda M. Effects on offspring induced by oral administration of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate to the female rats in peri- and post-natal periods. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2):235-55

5) Hoshi N, Ueno K, Igarashi T, Kitagawa H, Fujita T, Ichikawa N, Kondo Y, Isoda M. Teratological studies of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate in rabbits. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2): 227-34

6) Hoshi N, Ueno K, Yano H, Hirashima K, Kitagawa H. General pharmacological studies of hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate in experimental animals. J Toxicol Sci 1985; 10(Suppl 2): 129-46

   


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