日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 カルメロースナトリウム
英文名 

CAS  9004-32-4  (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 カルボキシメチルセルロースナトリウム,繊維素グリコール酸ナトリウム,CMCナトリウム
収載公定書  局方(JP17), 食添 USP(28) EP5) 外原規(2006
用途 安定(化)剤,滑沢剤,基剤,結合剤,懸濁(化)剤,コーティング剤,糖衣剤,乳化剤,粘着剤,粘着増強剤,粘稠剤,粘稠化剤,賦形剤,分散剤,崩壊剤,崩壊補助剤,溶解補助剤


JECFAの評価 (link to JECFA)


生物学的データ
吸収、分布と排泄
酵素処理加水分解したカルメロースナトリウムとカルボキシメチルセルロースの吸収と排泄を、それぞれカルボキシメチル群で14C標識して、ラットで5日間以上比較した。体内の残存放射能の分布を測定した。標識物質は適当な比活性になるように、'Solka Floc'カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース水解物で薄めた。探索試験のあと、4匹の雄と4匹の雌の通常のWistar Wag/Rijラットの2群に、どちらかの検体の5%を含む食餌を14日間慣らされた。その後凡そラット当り10μciと同等の500mg/kg bwを食餌時に、適切な標識物を与えた。尿と屎は120時間までの間隔で集められた。48時間までの間隔で、呼気中の二酸化炭素を集めた。120時間後、ラットは殺処分され、胃腸の消化管の内容物とカーカスを含めて、21の器官や組織が集められた。血液は血漿と細胞に分けられた。

排泄物中の標識物の量に、2つの化合物の間に小さな違いが見られた。投与した量の大部分(群の平均90-99%の範囲)が屎中に、尿ではより少ない量(1.3-2.0%)、呼気(0.6%-0.9%)とカウントされた。呼気中14C二酸化炭素の最高点は、投与後最初の2時間以内にあり、著者はこれは低分子化合物の分解によると示唆した。カルボキシメチルセルロースを与えた場合よりも酵素処理で加水分解したものを与えたほうが、カーカス中の放射能が若干高かった。同じような影響が個々の器官、組織、体液にも見られた。最も大きい量が脂肪、皮膚、筋、肝臓、小腸、血球、血漿に見つけられた。酵素処理水解物と母体ノカルボキッシメチルセルロースの両方ともの組織内濃度はほかの組織よりも肝臓と副腎でかすかに高かった。

以下省略

単回投与毒性(link to ChemIDplus)

反復投与毒性 (link to TOXLINE
)


短期毒性試験
ラット
生後約8週の20匹の雄と20匹の雌のCrl:WI(WU)BRラットの群に、小麦でんぷんを10%含んだ基本食餌(対照)か、または2.5510%のカルメロースナトリウムを含んだ食餌、または小麦でんぷんと等量の酵素処理加水分解カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含んだ食餌を与えた。食餌は雄に91から95日間与え、雌には98から102日間与えられた。眼科的検査を13週に行った。血液学的検査は雄85日目、雌89日目にそれぞれの群のそれぞれの性の10匹から血液を取って実施さした。88日目に雄、95日目に雌のグルコースのレベルを含む19の臨床的生化学的パラメータを分析した。一方、その他の測定は剖検時になされた。

1
匹の処置ラットが実験の途中で食餌投与に関係付けられない原因で死んだ。どちらかの検体を10%供与されたラットは下痢を起こしたが、健康そうであった。試験の終わりに、10%の食餌を食べさせた雌のラットの平均体重は対照群よりかなり低かった。用量に相関した摂水量の増加が4週、8週、11週に見られた。高用量の動物の摂餌量は低用量のラットより多くなりがちだったが、10%群の食事効率はほんの僅か低めであった。10%のカルボキシメチルセルロースを与えた食餌量は、11匹当たり雄が19g、雌が14gであった。これは62006800mg/kg bw/日に相当する。10%のカルメロースナトリウムを与えた雄と雌は11匹当たり19gと14gで合計数は一致している。これは59006600mg/kg bw/日に相当する。

眼科的検査は高用量において、投与に関係した変化が見られなかった。血液学的検査でたった一つ重要な変化が見られたのは、カルメロースナトリウムを食べさせた雌にヘモグロビン濃度とヘマトクリット値のかすかな減少があったことであった。臨床化学検査はカルメロースナトリウムと元のカルボキシメチルセルロースの両方で、AlPと GPTの散発的および用量に関連した増加の徴候を示した。これは雄のラットでより明らかであった。尿のカチオン排泄、特にナトリウム、クエン酸塩の排泄は食べさせられた食餌の調合と性別によって変化した。これは尿量とpHの増加と尿の濃度の減少に関連した。尿の半定量試験と顕微鏡的所見は、どの方法においても、混ぜたこと、または用量相関の毒性とは関係しなかった。盲腸(内容の有無を含め)の絶対的および相関的な重量は、剖検時に盲腸拡大として記録されたが、すべての処置動物でかなり増加し、用量―反応相関を示した。委員会はこれらの変化は、バルク効果のある、消化しにくい繊維を食餌中に混ぜたためと認めた。

死後に採った消化管の切片の観察は、高用量の動物の液体摂取の増加と一致した。そして病理組織学的変化とも一致した。相対的な腎臓重量は高用量の動物はすべてかなり増加していた。こゝでも明らかな用量相関があった。カルメロースの高用量群の雄とカルボキシメチルセルロースの低用量群雄における乳頭状の尿道内皮過形成と腎盂石灰化を含めた統計的に有意の病理組織学的変化は、一般的には僅かあるいはごく僅か程度付けされるものであった。両検体の10%群に見られた膀胱の単純かつ乳頭上皮過形成は一般的には軽微なものであったが、雌よりも雄で多かった(Bar et al.,1995; Til, 1992)。これらの変化は基本的飼料の凡4倍であった食餌中のナトリウム濃度に帰せられるものであった(Lalich et al.,1974; Bar, 1997)
 
遺伝毒性 (link to CCRIS)
がん原性
生殖発生毒性 (link to DART
)

局所刺激性
その他の毒性
ヒトにおける知見

引用文献



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