日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 キシリトール
英文名 Xylitol Gum

CAS 87-99-0 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 
収載公定書 局方(JP17)
食添(JSFA-IX) USP/NF(28/23) EP( 5 )
用途 安定(化)剤 ,甘味剤,矯味剤,賦形剤,等張化剤


JECFAの評価 (link to JECFA)
ADIは「特定しない」と評価されている。(1983年)


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)

動物種

投与経路

LD50(mg/kg体重)

文献

マウス 雄

経口

20.96-23.62g/kg

(Salminen, 1982)

マウス 雌

経口

20.96-23.62g/kg

(Salminen, 1982)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
1
70匹のWistar系ラットにキシリトール05-20 (漸増)又は20%含有食を150日間与えた。試験開始時の体重及び摂餌量の低下、下痢、盲腸肥大の発生率増加が20%群に見られた。病理組織学的検査において、膀胱粘膜表層に沈着物とそれに伴う粘膜過形成の発生率増加が20%群に見られたが、肝臓、腎臓、脾臓、副腎及び胃に被験物質に起因する異常は認められなかった。(Salminen, 1982)1)


遺伝毒性 (link to GENE-TOX)
該当文献なし


がん原性
ラット
キシリトールの癌原性試験(Hunter et al., 1978)で検査した副腎を病理組織学的に再評価した。副腎髄質の過形成発生率上昇が雌雄の510、及び20%混餌群に確認され、統計学的な有意差が認められた。褐色細胞腫の発生率上昇が雌雄の20%群に認められたが、統計学的な有意差はなかった。1) (Russfield, 1981)

褐色細胞腫はラットでは特異な腫瘍でなく、栄養成分、動物の収容状態及びホルモンのアンバランスがその発生率に影響を及ぼすことが文献調査研究で確認された。1) (Cheng, 1980)

Wistar
系雄ラット100匹を24ヶ月間、200匹を30ヶ月間飼育した。115匹に副腎髄質の過形成又は腫瘍が認められたが、これらの病変は機能を有さないことが組織化学的に確認された。1) (Bosland & Bar, 1981), 4) (Bosland & Bar, 1984)

イヌ
キシリトール10又は20%含有食を2年間イヌに投与した。病理組織学的検査において門脈周囲の肝細胞淡明化及び腫大が10及び20%群にそれぞれ3/125/12例に認められたが、肝細胞の変性及び壊死は見られなかった。電子顕微鏡検査で肝細胞の変化はグリコーゲン顆粒の増加に起因することが確認された。1) (Prentice, 1980)

イヌを用いたキシリトールの反復投与試験を再評価した。統計学的に肝重量には有意差が検出されなかったが、雄の20%混餌投与群にALP及びGPTの活性上昇傾向が確認された。門脈周囲の肝細胞淡明化も陽性所見として確認された。1) (Bar & Christeller, 1980)

イヌを用いた反復投与試験を新規統計手法により再評価した。20%キシリトール群と20%デンプン(対照)群との間に肝重量に有意差、GPT活性上昇と門脈周囲の肝細胞淡明化との間に相関が検出された。1) (Chanter, 1981)

イヌを用いた混餌によるキシリトール反復投与試験のデータと他試験の蓄積対照データを統計学的に再評価した。肝重量の増加、門脈周囲の肝細胞淡明化ならびにGOTLDHALP及びGPTの活性上昇が陽性所見として確認された。1) (Heywood et al., 1981)


生殖発生毒性
該当文献なし


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見 (link to HSDB)
9名の被験者にキシリトール46-2520mg/kg4.8-5.3年間投与した。血清肝酵素、血液の酸塩基平衡、尿検査に異常は認められなかった。1) (Makinen et al., 1981)

7-16
歳の健常小児13名にキシリトール10-80gをサプリメントとして10日間漸増投与した。鼓腸が45g以上、一過性の下痢が65g以上の投与量で認められた。1) (Akerblon et al., 1981)

男性2名及び女性3名の健常者にキシリトール30gを含有するオレンジフレーバーを与えた。投与後24時間に尿中に排泄されたシュウ酸塩量と投与前値との間に顕著な差がなかった。1)(Salminen, 1982)

キシリトールの代謝をヒトの肝臓由来の酵素を用いて調べた。キシリトールはフルクトース1−リン酸経路を経てシュウ酸前駆物質に代謝されることが確認された。1) (James et al., 1982)

12
名の健常者にキシリトール40-100g18日間サプリメントとして投与した。投与開始時に下痢が少数例に見られた以外に、臨床症状、血清化学検査及び尿検査に異常は認められなかった。3) (Forster et al., 1982)

キシリトールを総計1560g静脈内投与した61歳の術後患者に発作と腎不全が認められ、発作の原因として脳血管壁のシュウ酸結晶沈着が示差された。2) (Leidig et al., 2001)


参考文献
小児(STEP database;要Login)


1) WHO Food Additive No.18
 Xylitol. 1983 (accessed Oct. 2004 (link to WHO DB)
2) Leidig P, Gerding W, Arns W, Ortmann M. Renal oxalosis with renal failure after infusion of xylitol. Dtsch Med Wochenschr. 2001 Nov 30;126(48):1357-60.
3) Forster H, Quadbeck R, Gottstein U. Metabolic tolerance to high doses of oral xylitol in human volunteers not previously adapted to xylitol. Int J Vitam Nutr Res Suppl. 1982;22:67-88.
4) Bosland MC, Bar A. Some functional characteristics of adrenal medullary tumors in aged male Wistar rats. Vet Pathol. 1984 Mar;21(2):129-40.


   


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