日本医薬品添加剤協会 |
和名 ナタネ油 英文名 Rape Seed Oil CAS 8002-13-9 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 菜種油 収載公定書 局方(JP17) 粧原基・粧配規(2006) 用途 基剤,軟化剤,溶解剤 ■単回投与毒性 該当文献なし ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット Sprague-Dawley(SD)系ラット,Chester Beatty(CB)系ラットを用いて餌の要因による(SDラットでナタネ油により発現する)心筋障害発現頻度を調べた。雄性ラット2種にコーン油,低エルシ酸ナタネ油(LEAR),高エルシ酸ナタネ油(HEAR)を20%含む餌を16週間与えた。 その結果,限局性心筋壊死の発現頻度はSDラットに比べてCBラットは低かった。CBラットの心筋障害の頻度はいずれの餌でも同程度であったが,SDラットではナタネ油投与群が高い頻度を示した。体重増加はSD,CBラットともにコーン油,LEAR群で差がなく,HEAR群では他の群に比べて増加抑制が明らかであった。 重度な心筋の脂肪沈着はHEAR群でのみ認められたが,SDとCBラットで程度に差はなかった。心臓のトリグリセリド,遊離脂肪酸濃度はHEAR群で増加がみられたが,SDとCBラットで差は認められなかった。種差が認められた変化はHEAR摂取群心臓における数種のリン脂質濃度であったが,各リン脂質遊離酸の成分比には殆ど差がみられなかった。心臓のトリグリセリド,遊離脂肪酸,リン脂質と関連していると考えられる心臓障害の種差は,肝臓の組織所見からは確認できなかった。1) (Kramer, 1979) 脳卒中易発性自然発症高血圧ラット(SHRSP)5週齡の1群20例に10w/w%ナタネ油(canola),ダイズ油をそれぞれ餌に混入して与えた。なお,飲用水には1%塩化ナトリウムを負荷した。生存期間はナタネ油群62±2日で,ダイズ油群の68±2日と比較して短かった。 脳卒中に関連した徴候はいずれの動物でも観察されたが,所見の初発はナタネ油群47±1日で,ダイズ油群の52±2日と比較して早かった。 脳内出血の頻度はいずれの群も同様で,臓器の障害も差がみられなかった。他の試験では,脂肪分の少ない飼料を与えた5週齡のSHRSPラット1群10例に,ナタネ油とダイズ油をそれぞれ10w/w%添加し,飲用水に塩化ナトリウムの負荷は行わなかった。4週間投与後,平均収縮期血圧は,ナタネ油,ダイズ油群,それぞれ233±2,223±0.3 mmHgであった。血漿,赤血球膜に含まれるフィトステロール濃度は,投与したナタネ油とダイズ油の成分濃度に比例していた。 脳,心臓,腎臓のNa+,K+-ATPase活性はナタネ油群で上昇していた。この結果から,臓器の高血圧に関連した悪化因子の増強がナタネ油群でみられた生存期間の短縮に関連したものと思われる。植物油に含まれるフィトステロールによるNa+,K+-ATPase活性の増加はこれらの変化の役割を担うかもしれない。2) (Naito, 2003) ■生殖発生毒性 (link to DART) 以下については該当文献なし ■遺伝毒性 ■がん原性 ■局所刺激性 ■その他の毒性 ■ヒトにおける知見 ■引用文献 1) Kramer JKG, Hulan HW, Trenholm HL and Corner AH Growth, lipid metabolism and pathology of two strains of rats fed high fat diets. J. Nutrition 1979; 109: 202-213 2) Naito Y, Nagata T, Takano Y, Nagatsu T and Ohara N Rapeseed oil ingestion and exacerbation of hypertension-related conditions in stroke prone spontaneously hypertensive rats. Toxicology 2003; 187: 205-216 |メニューへ| |
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