日本医薬品添加剤協会 |
和名 硫酸ナトリウム水和物 英文名 Sodium Sulfate CAS 7727-73-3 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 7757-82-6 (無水物), (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB) 別名 芒硝, 硫酸ナトリウム十水塩 収載公定書 局方(水和物/JP17,無水物/JP17),薬添規(JPE2018) ,食添(JSFA-IX)(硫酸ナトリウム), USP/NF(27/22) EP(4) 用途 ■JECFAの評価 (link to JECFA) 1日許容摂取量(ADI)は推定できず規定していない。 ■単回投与毒性 ■反復投与毒性 (link to TOXLINE), 無水物 (link to TOXLINE) ■遺伝毒性 :無水物 (link to GENE-TOX) ■がん原性 雌雄各50匹の6週齢Swiss系マウスに硫酸ナトリウム31μgを26週間皮下に投与し、その後生涯飼育した。皮膚及び皮下組織の腫瘍発生率は同施設における無処置動物の背景データと同様であった。他の臓器及び組織にも腫瘍が認められているが、発生率は比較されていない。1) (Toth, 1987) ■生殖発生毒性:無水物 (link to DART) マウス CF-1マウスに硫酸ナトリウム60mg/kgを妊娠8又は9日にそれぞれ皮下投与し、催奇形性試験を実施した。摘出胎仔の検査で統計学的に有意差のある項目もあったが、8日投与群と9日投与群の間に一貫性がなかった。 軸骨格癒合も見られなかった。1) (Arcuri & Gautieri, 1973) ICR/SIMマウスの妊娠8-12日に硫酸ナトリウム2800mg/kgを経口投与し、催奇形性試験を実施した。母獣の死亡、投与期間中の体重増加抑制、胎仔吸収は認められなかった。生産仔数、死産仔数、生後3日の生存率に有意差はなかった。生後1および3日の体重測定において、生後1日にのみ有意な体重増加が見られた。1) (Seidenberg et al., 1986) ■局所刺激性 該当文献なし ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見:無水物 (link to HSDB) 硫酸ナトリウムの塵埃(5-150mg/m3)に暴露された17-58歳の鉱山労働者119人について健康調査を実施した。肺機能、血清中の硫酸及びカルシウム濃度、血清電解質を含む各種の検査項目は概ね正常範囲内の値を示した。鼻粘膜の紅斑又は充血が24人に認められたが、塵埃の鼻刺激性による症状と思われた。さらに、労働者を10年以上暴露群とそれ以下の群に分けて統計学的解析を実施したが、群間に有意な差はなかった。1) (Kelada & Euinton, 1978) 硫酸ナトリウムの腎クリアランス試験において、硫酸ナトリウム十水和物の4.5g/100 mL溶解液が1時間間隔で2回経口投与された。軟便の散発的発生以外に有害事象は見られなかった。1) (Morris & Levy, 1983) 硫酸ナトリウムの腎クリアランス試験において、硫酸ナトリウム十水和物の.5g/100 mL溶解液が4回経口投与された。少数例に軟便が発生した以外に有害事象は見られなかった。1) (Galinsky & Levy, 1984) 硫酸ナトリウム60gによる胃洗浄及び硫酸マグネシウム静脈内注射で、炭酸バリウムを用いた自殺企図の39歳女性を処置した。救命後に進行性の腎障害が発生したが、原因として硫酸バリウムの尿細管沈着が示唆された。1) (Phelan et al., 1984) 大気汚染物質に対する限界削減費用の概念が近年提唱されており、硫酸ナトリウムについても地球表層の汚染の程度及び拡散強度がフィールド研究から明らかにされている。2) (Denisov etal., 1990) 8.5歳の肝機能障害を併発する嚢胞性線維症患者が硫酸ナトリウム40mmol/Lを含む腸管洗浄剤を1.2L服用後に、嗜眠及び低血糖性痙攣が発現した。1) (Shah et al., 1994) 硫酸ナトリウムを25g/4Lを含む腸管洗浄剤を服用した冠状動脈性心疾患、動脈瘤及び心筋梗塞の既往を持つ45歳の女性に、うっ血性心不全の増悪が認められた。1) (Granberry et al., 1995) 硫酸ナトリウム十水和物は英国薬局方に下剤として収載されている。マーチンデール医薬品集には硫酸ナトリウム十水和物及び無水硫酸ナトリウムは下剤、3.9%水溶液静脈内投与による高カルシウム血症治療薬として用途が記載されている。硫酸ナトリウムは食品着色剤の希釈液として使用されることがある。1)(Reynolds, 1996) 硫酸ナトリウムを40mmol/L含有の腸管洗浄剤を結腸内視鏡検査前処置として家庭で服用した患者を対象にして、前向き試験を実施した。22-86歳の対象者82人において、12例に大便失禁、21例に睡眠障害が見られた。1) (Heymann et al., 1996) ■参考文献 OECD database (link to SIDS) 1) WHO Food Additive Series No.44 Sodium sulfate 1999 (link to WHO DB) 2) Denisov IuN, Tkachev PG. Health aspects of sodium salts of sulfurous and sulfuric acids as environmental pollutants. Gig Sanit 1990 Sep; (9): 11-3 |メニューへ| |
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