日本医薬品添加剤協会
Safety Data
|  Home | menu |

和名 セトステアリルアルコール
英文名 Cetostearyl Alcohol

CAS 67762-27-0  (link to ChemIDplus)
別名 Cetearyl Alcohol
収載公定書  薬添規(JPE2018)  外原規(2006) USP/NF(27/22)  EP(5)
用途 基剤,賦形剤,乳化剤


単回投与毒性
反復投与毒性 (link to TOXLINE)
遺伝毒性
癌原性
生殖発生毒性
局所刺激性
その他の毒性


ヒトにおける知見
化粧クリームや口紅の基材として用いられるLanette Nによる接触アレルギーについてはStolzeらの報告を始めいくつかの報告があり、陽性率は0.17〜4.9%の範囲であった。Lanette Nは90%のLanette O(cetyl alcohol と stearyl alcoholの混合物)とLanette E(sodium cetyl stearyl acid ester)からなる。

筆者らは1977年1月24日から、1979年4月30日までの間、1100名の患者について Lanette Nに対するパッチテストを行い、反応を調査したところ、27名(2.67%)が陽性であった。このうち7名についてLanette O、cetyl alcohol、及びLanette Nのもう一つの成分である Lanette E(sodium cetyl stearyl acid ester)についてパッチテストを行ったところ、全員がLanette Oに対して陽性(うち1名は++)、cetyl alcoholについては4名が陽性であった。また、Laneete Eに対しては全員が陰性であった。 1) (Bandmann, 1980)

1977-1981年に2064名のアレルギー患者にパッチテストを実施した結果、3.9%にcetylstearyl alcohol(Lanette O)に対する接触性アレルギーが見られた。これらの患者の453名は欝滞性皮膚炎(stasis dermatitis)及び脚潰瘍(leg ulcer)を病んでいた。 これらの453名のうち15%はLanette Oによる接触性アレルギーであった。然るにLanetteアレルギーの全患者の85%は欝滞性皮膚炎に脚潰瘍を伴っている場合とそうでない場合があった。2) (Keilig, 1983)

Cetostearyl alcoholが成分として含有されるLanette Nに対する接触アレルギーについては、パッチテストの陽性率が0.2〜3.9%といくつかの報告がある。1974年フィンランドで行われた試験では陽性率は0.7%であり、1979〜1983年に筆者らが行った試験でもほぼ同じ陽性率であった。また、1986年から1986年では0.8%であった。

Lanette Nに対するパッチテストで陽性の患者7名に、化学的に純粋なcetyl alcoholのパッチテストを行ったところ、1名のみが陽性を示した。市販のcetostearyl alcoholはC16アルコール(cetyl alcohol)92.1%、C18(stearyl alcohol) 3.3% 及び4.6%の炭素数の少ないアルコールからなっている。繰り返し志願試験で19人中4人がLanette N及びLanette16の両方に陽性反応をしめした。しかしその中の4人のうち化学的に純粋なcetyl alcoholに陽性反応を示したものは1人もいなかった。市販の製品中のアレルゲンはcetyl alcohol でもstearyl alcoholでもなく、それに含まれる不純物であると考えられる。したがってcetostearyl alcoholに対する接触アレルギーは患者は(実際は)少なく、好ましくない反応はかなりマイルドであると考えられる。3) (Hannuksela, 1988)


引用文献
1) Bandmann HJ, Lanette O-anothet test sibstance for lower leg series. Contact Dermatitis 1980; 6(3): 227-228
2) Keilig W. Contact allergy to cetylstearylalcohol(Lanette O) as a therapeutic problem in stasis dermatitis and leg ulcer. Derm Beruf Umwelt. 1983; 31: 50-54
3) Hannuksela M, Skin reacrion to Emulsifiers. Cosmetics and Toiletries. 1988; 103: 81, 84-86

   

メニューへ



copyright(C) 2005 日本医薬品添加剤協会 all rights reserved
Japan Pharmaceutical Excipients Council