日本医薬品添加剤協会 |
和名 セバシン酸ジエチル 英文名 Diethyl Sebacate CAS 110-40-7 (link to ChemIDplus) 別名 ジエチルセバケート(101816), Diethyl Decanediate, Diethyl 1,8-Octanedicarboxylate, Ethyl Decanedioate, Ethyl Sebacate 収載公定書 薬添規(JPE2018), 外原規(2006) 用途 界面活性剤,可溶(化)剤,基剤,乳化剤,溶剤,溶解剤,溶解補助剤 ■JECFAの評価 (link to JECFA) 香料剤として現在使用されている量においては安全性に問題ない。 ■単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
用量は不明であるが、経口投与によりモルモットで尿流量増加、モルモットとラットで神経系由来の行動抑制が報告されている。1) (Jenner et al., 1964) ■反復投与毒性 (link to TOXLINE) ラット 雌雄各5例のラットをセバシン酸ジエチル1000ppm (約50mg/kg/日)含有飼料で27-29週、あるいは約500mg/kg/日で17-18週にて飼育後では、一般状態に異常を認めず、多くの臓器でも異常を認めなかった。摂餌量、発育、血液組成は正常であった。1) (Hagan et al., 1967) マウス 一群3-4例の雄性マウスをセバシン酸ジエチル10% (約12-15g/kg/日)含有飼料で10日間飼育後では、肝ペルオキシソーム酵素の活性増加を認めたが、肝重量、ペルオキシソーム増殖関連パラメータは不変であった。1) (Lundgren et al., 1992) ■遺伝毒性 大腸菌E.coliを用いた試験(哺乳類代謝活性化試験を除くで遺伝毒性は認められていない。1) (Szybalski, 1958) ■がん原性 マウスにセバシン酸ジエチルを腹腔内投与して抗腫瘍性が認められた。1) (Tolnai&Morgan 1962; Townsend et al., 1962) ■生殖発生毒性 該当文献なし ■局所刺激性 ウサギの無処置あるいは剃毛皮膚に24時間閉塞パッチを行った時、軽度皮膚刺激性であった。1) (Levenstein, 1975) ■その他の毒性 該当文献なし ■ヒトにおける知見 25名の志願者に対し、4%セバシン酸ジエチル含有ワセリンの48時間閉塞パッチを行ったところ、無刺激性であった。1) (Klingman, 1975; Klingman & Epstein, 1975) 20%または30%セバシン酸ジエチル含有のそれぞれ反復用局所製剤またはワセリンの48時間閉塞パッチでは大部分のヒトで無刺激性であった。1) (De Groot et al., 1991; Schneider, 1980) 25名の志願者で4%セバシン酸ジエチル含有ワセリンを48時間閉塞パッチ5回反復処置し、10-14日後の同ワセリンのチャレンジで感作性は認められなかった。1) (Kligman, 1975) 241名の健康志願者で20%セバシン酸ジエチル含有製品のパッチ試験で局所反応なし、同製品(含量不明)の210名での同テストでも同様の結果であった。1) (Berlin & Miller, 1976) 2事例において好結果が報告されている10%または20%セバシン酸ジエチル含有製品を種々の皮膚状態の患者8例の治療に使用して、接触性皮膚炎が惹起された。5例の患者で10%または20%セバシン酸ジエチル含有のエタノール、ポリエチレングリコール、ワセリン、または製品で24/48時間閉塞パッチ試験を行い、全例に反応を認めた。1) (Berlin & Miller, 1976; Kabasawa & Kanzaki, 1990; Moss, 1974; Schneider, 1980) 湿疹用ローション中のセバシン酸ジイソプロピルに感作された患者1例で、3-30%セバシン酸ジエチル含有ワセリンに交叉反応が認められた。1) (De Groot et al., 1991) ■引用文献 1) BIBRA Informatiaon Services Ltd. Toxicity profile Diethyl sebacate 4p. 1996 |メニューへ| |
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