日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 スクワラン
英文名 Squalane

CAS 111-01-3  (link to ChemIDplus)

収載公定書  外原規(2006USP/NF(28/23) EP(5)
用途 界面活性剤、基剤、軟化剤、乳化剤、粘稠、賦形剤、溶解剤


単回投与毒性
該当文献なし


反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
スクワランの2,3,4,7,8-ペンタクロロジベンゾフラン(Pen CDF)排泄促進硬化を確認する目的で、5週齢のラットに5%スクワラン含有サラダ油を12週間連続摂取させた結果、スクワランによる毒性変化は見られず、ほぼ完全に糞から回収され、スクワランは経口摂取でほとんど吸収されないと考えられた。1) (神村& 吉村, 1987

イヌ
6
ヵ月齢のビーグル犬雌雄各4匹にスクワランを04001200mg/kg13週間反復経口投与した結果、スクワランは肝臓、体毛、皮膚で高い分布を示した。毒性学的パラメーターの変動は軽度かつ正常範囲内の変動であり、毒性学的に問題はないと判断された。2) (神村 他, 1989)


遺伝毒性 (link to CCRIS)


がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性
該当文献なし


局所刺激性
モルモット
Hartley
系の雌性モルモットに、スクワランを0.10.331030%の濃度で背部皮膚にそれぞれ0.05mL単回皮内投与し、Draizeの判定基準に従い、投与後72時間後までの皮膚反応を評価した結果、3日間の判定の平均値は0.1%0.260.3%0.243%0.3810%1.0430%1.62であった。3) (伊藤 他, 1984)

ウサギ
ウサギを用いて眼刺激性、皮膚刺激性(一次刺激および60日間累積皮膚刺激)を、スクワラン原体および15%溶液を評価した。眼刺激性インデックス(OII)はスクワラン原体で点眼後1時間に4.33を示したが24時間後には0.00であった。皮膚一次刺激性インデックス(PII)はスクワラン原体で0.2960日間累積皮膚刺激における平均最大刺激インデックス(MMII)は1.00であった。スクワラン15%溶液の皮膚刺激性はPII0.00MMII0.33であった。4) (Guillot et al., 1977)

日本白色種の雌性ウサギを用いて、スクワラン原体を0.1mL眼瞼内側に適用し、眼刺激性をDraizeの判定基準に従い評価した。3施設で実施し、平均スコアは適用後1時間で0.73時間で0.46時間以降では0.0であった。洗眼動物においても24時間後にはスコアが0.0となった。5)(中村 他, 1984

日本白色種の雌雄ウサギを用いて、スクワラン原体を0.2mL背部皮膚に閉塞貼付し、塗布後96時間までの皮膚反応をDraizeの判定基準に従い評価した。3施設で実施し、平均スコアは塗布後2448時間で0.0072時間で0.0496時間で0.00であった。6) (濱田 他, 1984)

日本白色種の雌雄ウサギを用いて、スクワラン原体を適量、11回、3日間連続で塗布し、168時間までの皮膚反応をDraizeの判定基準に従い評価した。3施設で実施し、平均スコアは24487296168時間でそれぞれ0.000.110.060.000.07であった。7) (小川 他, 1984)


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見
健康な皮膚を有する成人ボランティア232名(男性144名、女性88名)と、皮膚疾患患者27名(男性2名、女性25名)に対し、スクワラン原体を濾紙付きKIチャンバーに点眼瓶1滴分滴下し、上腕内側に1ないし24時間クローズドパッチした。紅斑と浮腫について6段階の評価とした結果、健康皮膚ボランティアにおいて1時間パッチで陽性例は19例、24時間パッチでは5例であり、浮腫を示す例は見られなかった。皮膚疾患ボランティアにおいては1時間パッチで陽性例は2例、24時間パッチでは3例であった。8) (早川, 1984)


引用文献
1)
神村英利、吉村英敏. 油症原因物質の排泄促進. 福岡医誌. 1987 78:266-80.
2)
神村英利、古賀信幸、小栗一太、吉村英敏、井上秀顕、佐藤喜代隆、大久保満伸. イヌにおけるスクアランの体内動態と安全性. 福岡医誌. 1989 80::269-80.
3)
伊藤勝利、芝本明雄、岡本暉公彦、中村和博、奈蔵利彰、市川秀之. モルモットに対する皮内注射. 皮膚. 1984. 26(5):1075-83.
4) Guillot JP, Martini MC, Giauffret JY. Safety evaluation of cosmetic raw materials. J. Soc. Cosmet. Chem. 1977 28:377-93.
5)
中村和博、岡本暉公彦、濱田俊昭、水谷宏、伊藤勝利、大畑智、小川史丈、阿部隆、中野栄次、小澤範恭、小泉義夫、朴木進. ウサギ眼粘膜試験. 皮膚. 1984. 26(5):1065-74.
6)
濱田俊昭、水谷宏、阿部隆、小川史丈、奈蔵利彰、倉本正人. ウサギクローズドパッチテスト. 皮膚. 1984. 26(5):1084-91.
7)
小川史丈、阿部隆、奈蔵利彰、倉本正人、濱田俊昭、水谷宏. ウサギ連続塗布試験. 皮膚. 1984. 26(5):1102-8.
8)
早川律子. ヒトクローズドパッチテスト. 皮膚. 1984. 26(5):1119-27.


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