日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ダイズ油
英文名 Soybean Oil

CAS 8001-22-7 (link to ChemIDplus), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 大豆油
収載公定書  局方(JP17),外原規(2006)  USP/NF(28/23)
用途 可溶(化)剤,基剤,保存剤,矯味剤,賦形剤,分散剤,溶解補助剤


JECFAの評価量 (link to JECFA)
委員会は,供試したピーナッツ油及びダイズ油の精製法が明確に記載されていないことに注目していた。臨床試験に供試したこれらの油のタンパク含有量も明確ではなかった。さらに使用した分析法の質及び残留タンパク濃度の定量法が検証されていないことが懸念されていた。これらを考慮し,安全な製品を生産する明確な製造方法がないものと判断した。
委員会は,代表的な精製ピーナッツ油及びダイズ油を用いた試験の結果が,評価のために必要であると指示した。そのような試験では,世界中の種々の精製方法による油に関する多くの情報を提供しなくてはならない。使用した油における精製方法の説明,並びに適切に計画された臨床試験においてアレルギー原性がないことを示す結果を提供しなければならない。油中のタンパクの特性及び含有量は,使用した油の特性を確定する重要な要素であった。7) (World Health Organization, 2000)


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
マウス 静脈内 22.1 g/kg Sweet ed,2) 1987
ラット 静脈内 16.5 g/kg Sweet ed,2) 1987



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
遺伝毒性
がん原性
生殖発生毒性 (link to DART)
局所刺激性
その他の毒性


ヒトにおける知見 (link to HSDB)
8名の小児 (性別,年齢不詳) に前腕の2ヵ所に抗血清を皮内注射した。24及び48時間後,朝食前に40〜55gのダイズ油を服用させた。一種類の油は未加工であったが他の油の品質は不明であり,各油の割り当て人数は明らかにされなかった。1〜24時間後の観察において,感作部位の皮膚反応は認められなかった。ダイズ粉の懸濁液を服用した場合,すべての小児において陽性反応がみられた。3) (Ratner et al., 1955)

ダイズに感受性がある18〜63歳の男性3名,女性4名を,ダイズ油のアレルギー性について検討するプラセボを対照としたクロスオーバーによる二重盲検試験に登録した。アレルギー反応を示した前回の曝露からの期間は,1年未満から10年であった。試験には,部分的水素付加油,非硬化油及び冷搾法により抽出したダイズ油を使用し,対照としてオリーブ油を用いた。投与の順序は無作為化を行った。投与開始前にすべての被験者についてダイズ抽出液を用いたプリック試験を行い,陽性例がいないことを確認した。7人中6人についてRASTを用いて測定した血清IgE抗体のダイズ抗原に対する結合率は,対照血清の230〜2800%であった。試験2日目,被験者にゼラチンカプセルに充填した2,5もしくは8 mLの各油を服用させた。投与容量はいずれも等容量とし,食事とともに服用した。投与後,30分間の観察を行った。各投与の間隔は,少なくとも6日間とした。いずれのダイズ油においても,急性もしくは遅延型のアレルギー性もしくは非アレルギー性の反応は認められなかった。4) (Bush et al., 1985)

1999年,UK Medical Devices Agencyはダイズ油を含有する人工乳房の自主回収を公表した。5) (Bradbury, 1999)

ダイズ蛋白の血清脂質への影響について検討した大規模検討試験において,ダイズ蛋白摂取群では血清脂質の有意な低下が認められた。6) (Anderson et al., 1995)


引用文献
1) Rowe RC, Sheskey PJ, Weller PJ ed.: Handbook of pharmaceutical excipients; 4th ed. Pharmaceutical Press, UK, 2003: 11.
2) Sweet DV, ed.(1987): Registry of Toxic Effects of Chemical Substances.. Cincinnati: US Department of Health, 4454.
3) Ratner, B., Untracht, S., Crawford, L.V., Malone, H.J. & Retsina, M. (1955) Allergenicity of modified and processed foodstuffs. V. Soybean; influence of heat on its allergenicity; use of soybean preparations as milk substitutes. Am. J. Dis. Child., 89, 187-193.
4) Bush, R.K., Taylor, S.L., Nordlee, J.A. & Busse, W.W. (1985) Soybean oil is not allergenic to soybean-sensitive individuals. J. Allergy Clin. Immunol., 76, 242-245.
5) Bradbury J. (1999): Breast implants containing soy-bean oil withdrawn in UK [news]. Lancet, 353, 903.
6) Anderson JW, Johnstone BM, Cook-Newell ME (1995): Meta-analysis of the effects of soy protein intake on serum lipids. N Engl J Med, 333(5): 276-282.
7) http://www.inchem.org/documents/jecfa/jecmono/v44jec11.htm


   

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